2010年11月28日日曜日

Vanguard Jazz Orchestra

たまには音楽以外の話題はないものかと考えてみたが

やはり、ないことに気づいてしまった。

今日はヴァンガード・ジャズ・オーケストラをビルボードライブ東京で見てきました。
去年のブルーノートでの公演も見たけど、自分の聴き所が少し変ったせいか、
今年のほうが見応えありました。楽しかったです。
聴き所が変化したというのは、プレイヤー目線で、自分の演奏に生かせる術を盗もうという観点で聴く部分が多くなった、ということである。これは少々悲しいことでもあるが。
でも、彼らの演奏からはいろいろな収穫があって、それはそれで楽しいものです。

ところで今日は、昼間に2時間ほど、ヴァンガードのメンバー全員によるビッグバンドのクリニックが開催された。ビルボードライブのステージ上で、早稲田のハイソと東大JJがモデルバンドで、ヴァンガードの曲を演奏し、本人たちからクリニックを受けるという、何とも贅沢な話。

僕の学生時代で言えば、黄金期のエリントン楽団に直接指導を受けるようなものだ。
何とも羨ましい限り。

でもって、ライブ予約客の中で、抽選でこのクリニックの無料観覧が当たるとのことで、観覧希望を出したら、まんまと当選。この素晴らしい機会をタダで見てきました。ラッキー!

ビッグバンドに関することはもちろん、コンボスタイルに通じる話もかなり出てきて、いろいろと勉強になった。興味深い話がたくさんあって、2時間あっという間でした。

メンバーたちも、昨日のライブの疲れも見せずに、すごく真剣にかつ楽しんでいるようでした。
メンバーそれぞれに言いたいことがたくさんあるようで、メンバー同士でマイクを渡しては次々にアドバイスを送り、通訳の人も大忙し。
司会の方が慌てて時間調整に走るような、そんな素晴らしい雰囲気でした。
憧れのミュージシャンたちのこういう姿を見ると、
自分もああいう風になりたいなあと、子供ながらにいつも思う。

夜のライブで特に印象に残ったのは、やっぱりDick Oatts。ヴァンガードのリードアルトプレイヤー。
僕の大好きなアルトプレイヤーの一人です。
と言っても好きになったのはかなり最近のことで、彼の最新リーダー作の「Two Hearts」というアルバムを3か月前くらいに買って、それであまりにも良くて一気に好きになってしまった。
それ以前にも彼の演奏を別のCDで聴いたことはあったけど、とにかくこのCDが凄くいいんです!
スタンダードばかりやってて聴きやすい。でも安易なものではない、中身の濃い素晴らしいアルバムです。ぜひ聴いてみてください。

話は逸れましたが、今日あこがれのDickさんが一曲、アルトでロングソロをとりました。
最高でした。これだけでも見に行った甲斐があった。
ピアノのMichael Weissも良かったなあ。
昼間のクリニックも含め、すごく楽しかったし、勉強にもなりました。

学生時代のフルバン仲間にも何人か会いました。
それぞれ、素晴らしいライブを楽しんでいるようでした。
こういう所で再会するのはなんだかほっとします。

2010年11月26日金曜日

少々、大袈裟な話

今週に入り月曜、火曜と立て続けに演奏の仕事をしてきた。
どちらも結婚披露宴会場での演奏。
そして今日は、バイトの後に新宿サムデイのセッションに行ってきた。

総じて、自分の未熟さを痛感している。

帰りの電車の中であれこれ考えていたら、次のような考えが浮かんできた。
といっても、別段真新しいものではないけど。

誰に何を言われようとも
自分のことは自分が一番わかっていなくてはいけない。
自分が自分に一番厳しい目で見ていないといけない。
なんだかんだ自分を変えることができるのは自分だけ。

なんか強迫観念めいていて、自分でも少々怖い感じがするけど、
でも、真偽を問えば真だと思う。少なくとも今の自分はそう思う。

そうかと言って周囲の意見に耳を傾けること、周囲の手助けを借りること、
そして周囲に対して謙虚な気持ちや、感謝の気持ちを忘れないこと。
これらのことが大事なのは言うまでもない。

残念ながら、これらの点でも自分は未熟だと言わざるを得ない。

音楽的な成長を遂げるには、人間的な成長なしにはありえない。
何となくわかっていたことが、プロを目指すようになってから日に日に確信へと変化している。

かと言って、人間的な鍛錬を重ねれば音楽的に成長していくというわけでは、もちろんない。
音楽自体をとことん鍛錬しなくてはいけない。

そもそも人間だの音楽だの、分けて考えることではないのかもしれない。
「音楽=人間」
これが究極の答えかもしれない、自分にとっては。だからこそ、この道を選んだんだろう。

一介の下手くそが一体どこまで這い上がれるのか?
もがけるだけもがいてみよう。

2010年11月21日日曜日

人生初のEWI

今週はバイトが臨時休業だったこともあり
(パートタイマーである以上、素直に喜べないのが辛いところ・・・)
平日にライブを2つ見に行った。

火曜日に新宿ピットインで奥平真吾さん(ds)のThe FORCEというバンドを聴いた。
水曜日に御茶ノ水ナルで堀秀彰さん(pf)と浜崎航さん(ts)のEncounterというバンドを聴いた。
どちらもとても素晴らしくて、大いに刺激を受けた。
特に浜崎さんは、聴くのは2度目であったが、
本当に本当に凄まじい、まさに圧巻のプレイでした。

2つのライブを聴いて、いろいろ感じて考えた。ライブとかバンドサウンドのこととか。
バンド名も考えたほうがいいのか?(笑)
誰それトリオとか何某カルテットじゃなくて。

そして今日、南青山ボディ&ソウルにて、シーマス・ブレイク(ts)のバンドを聴いてきました。
言わずと知れたモンク・コンペティションの覇者、ニューヨークの若手サックスの筆頭格である。
実は、生で聴くのは今回が初めてではない。
大学卒業直前に行ったNY旅行の時にも聴いていたのだ。

予想してたものとだいぶ違って驚いた。
ゴリゴリのファンク。バリバリのエレクトリック。とにかく強烈。
シーマスの前にはibookが2台置かれ、いろんなエフェクターが置かれてた。
バンド(エレベとドラムとのトリオ)のグルーヴと音圧がまさに破壊的で、
シーマスはEWIも吹いていた。テナー以上に使ってたかも。
生EWIは初めて聴いた。
しかし、自分は今後どんなことがあってもEWIだけには手を出さない気がするが・・・。
(EWIとは、ウインドシンセサイザーつまりエレクトリック・サックスみたいなもの)

こういう音楽は、CDでは自分から進んで聴くことはまずないので
生で聴けたのは逆に良かった。

興味ある人は明日、というか今日、
新宿ピットインでもやるそうなので、行ってみてはいかがでしょうか?一見一聴の価値ありです。

2010年11月16日火曜日

イタリア人、現れず

今日は井上祐一さんのピアノレッスンに行った。
ピアノレッスンと言っても、ヴォイシングやスケールのことを学んで
自分のサックス演奏に生かそうという意図でやっている。
さすがにこの歳になって本格的にピアノを弾けるようにしたい
なんていう気概はないが、
せめて伴奏程度はできるようになりたいという気持ちがある。
今日も興味深いことを教わったので、練習に生かしていきたい。

レッスンの後、新宿のタワレコに行った。
そしたら「輸入盤クリアランスセール」と書かれた小さなワゴンがあったので、隈なく物色した。
超マイナーで見たことも聞いたこともないようなCDたちに交じって
Jerry Bergonzi(ts)とHank Crawford(as)のCDを発見。

な、なんと
1枚たったの
290円!!

牛丼一杯の値段・・・。
アーティストとしてはこの上なく残念なことでしょうけど、
リスナーとしてはこの上なくラッキー。

そのあと、浅草じゃのめのセッションに行った。
先日お会いしたイタリア人サックス奏者のGianniがこの日のセッションに来ると予告し、
僕も行くと約束していたからだ。

しかし、残念。
Gianni現れず。
これぞイタリア人のラテン気質なのでしょうか?会いたかったなあ。
でも楽しいセッションだったので行って良かった。
ホストがギター2人という非常に珍しい組み合わせ。
普段あまりやらないボサノバの曲や歌伴がたくさんできたので、よかった。

でもって、3/5(土)にこちらでライブすることになりました!
”じゃのめ”はとても雰囲気がいいです。
くつろげて、なおかつ音楽に浸れる距離感がいいです。
マスターや店に集まる常連さんが、いかにも下町情緒あふれるあったかい感じで、素敵です。
共演メンバーなど、詳しくは乞うご期待ください。

2010年11月13日土曜日

Good Morning, But おやすみなさい

朝帰りじゃすとなうである。
(こんな言い方が存在するかどうかは知りません)
こんな時間から食欲旺盛で、
ご飯2杯とシャケと納豆とシューマイと漬物とワカメスープをたいらげた、じゃすとなう。

高田馬場までコットンクラブの深夜ジャムに行ってきた。

そもそも
夜中の12時近くに家を出て、楽器抱えて電車で都内に向かうのは
正直いつも気が重たくなる。

自分の中で適当な言い訳を作って、行くのをやめようとする自分との
闘いがそこにはある。

しかし、行けば必ず素敵な出会いと強烈な刺激を得られるのがコットンクラブのセッションだ。
だから、朝6時になれば自分の気分は清々としている。

今日もまさしく、出会いと刺激に満ちていた。
中でも、ホストの三木俊雄さん(ts)から本当にありがたい言葉をいただき、とてもうれしくなった。
自信やモチベーションが、また一歩大きく膨らんだ。
自分のなかに大切にしまっておこうと思う。精進を続けようと思う。

2010年11月9日火曜日

カルテットでライブします

12/2(木)の上野エブリスイングでのライブですが、
今回はドラムを加えてカルテットでお送りします。

12/2(木)@上野Every Swing
19:00オープン
20:00スタート
チャージ1700円

山中一毅(Alto Sax)カルテット
with
寺島優樹(Piano)
北尾直樹(Bass)
渡邊雅之(Drums)

僕はもともとドラムと一緒にやるのが好きです。
ドラムを聴くのも好きです。
ドラムを加えると、選曲の幅も広がりそうで楽しみです。

というわけで、ぜひともお越しください!

2010年11月8日月曜日

You don't know what love is, I don't know where a jam house is

自分で言うのもなんだが、
最近、一皮むけた気がしている。
自分の演奏のことである。

演奏に迷いがなくなってきたというか、
考えずとも、やりたいこと、あるいはやろうとしている以上のことが
自然に出てくるようになったと感じている。

しばらくすればまた迷いが出てくるだろうけど、それは次の次元での話。
とにかく今は、自分で自分の成長を感じるし、自分の演奏が楽しめている。

何が自分を成長させているのかも、自分の中では冷静に分析できているし、
今後、何をしていけばいいのかも今は割とクリアに見えている。

以下、ここ数日の刺激的な日常。

木曜日は田中哲也さん(tp、角田健一ビッグバンドのリード・トランペッター)のコンボに飛び入り。
stablematesやornithologyなどを一緒にやった。
特にornithologyは自分でも驚くほど良い演奏ができたように思う。楽しかった。

土曜日は大塚ドンファンのセッションに行き、仲間を増やす。
いつもながら同世代の素晴らしいミュージシャンの演奏に脱帽。

そして今日、日曜日は
まず新大久保へ。
木曜日に田中さんに誘われたイベントに行き、山田壮晃(ts)ビッグバンオーケストラというプロのビッグバンドのライブをタダで聴かせていただいた。しかも大森明さん(as)がゲスト。あの方の演奏をただで聴けるなんて、なんてラッキー。大森さんは言わずと知れたビバップ・アルトの最高峰に位置する素晴らしいプレイヤーである。音、フレーズ、佇まい。全てが勉強になった。田中さんがリーダーの山田さんに紹介してくれ、名刺を渡すことができた。リハトラでもいいから、ぜひ呼んでいただきたい。僕の中には、他人のバンドに入って経験を積みたいという気持ちが、今とても強くある。

そのステージを見た後、つづいて浅草へ。
9月に続いて12月のライブでもご一緒する北尾直樹さん(b)のライブを見に浅草じゃのめへ。
ここで素晴らしいサプライズが連発!
まずはカルテットのフロントを務めたDaniel Perkins(ts)さん。
僕自身、名前も演奏も聞いたことないプレイヤーだったが、本当に素晴らしかった。
カリフォルニア出身と言っていたが、まさに本場アメリカの音で、テクニックも抜群。
伝統的なものと今風なもののバランスが最高でDexter GordonやMichael Breckerを彷彿とさせた。
このお方、実は、浅草にほど近い下町で、英語教師をしているそう。人柄も素晴らしかったなあ。
3曲ほど飛び入りさせてもらい、終演後もサックストークで盛り上がってしまった。
(秋吉バンドに帯同して以来、臆せず英会話できるようになったらしい)

さて、ライブが終わり、楽器も片づけ、そろそろ帰ろうかと皆一息ついていると、
じゃのめの玄関口に一人の外国人が現れた。右手にはアルトサックスを持っている。
いったい誰だ?
話を聞けば、イタリア人のプロのジャズサックス奏者で、自分のバンドのツアーで日本に来ているという。なんか凄そうなので、「1曲やったら?」というマスターの一声で、早速セッションが始まる。
”You Don't Know What Love Is”、OK?
始まって一音出して、空気が変わった。間違いなく本物だ。
素晴らしかった、というか凄かった。彼の名は、Gianni Gebbia。
彼に続いて私もソロをとり、明らかに触発されている自分がいた。
もちろんDanielも素晴らしいソロを聴かせてくれた。

















左がDaniel、右がGianni。真ん中は久しく新しい服が買えないジャパニーズサックスプレイヤー。

You Don't Know~の一曲を終え、談笑していると、
Gianniが「こんなところにこんな場所があるなんて知らなかった」と言っていた。
僕も初めて行ったが、素敵な雰囲気のお店ですぐに気に入ってしまった。
楽しかった。興奮した。ジャズとはなんてスリリングなんだろうか。

北尾さん、保坂さん(pf)、渡辺さん(ds)、Daniel、Gianni
楽しいひと時を、どうもありがとうございました。

今日はやたらと威勢のよいことを書いてしまったが、
明日からまた謙虚に慎ましやかに暮らしていこうと思う。

にしても、一回のブログが長いよ。
もう少し、こまめに小出しに綴っていかねば。