2011年4月26日火曜日

いい音

浅草でのライブが迫ってまいりました。
皆様いかがお過ごしでしょうか?
GWの計画を立てている方もいると思いますが、
5/7(土)は、ぜひとも浅草じゃのめで楽しい時間を一緒に過ごしましょう!
詳細は後日またアップします。よろしくお願いします。

さて、最近、とある本に夢中になってしまい、
バイトの行き帰りの電車の中で読むのが一つの楽しみになってます。
その名も
「サキソフォン物語~悪魔の角笛からジャズの花形へ(マイケル・シーゲル著)」

完全にジャズ馬鹿、サックス馬鹿ですね。
しかし、この本、侮るなかれ。
400ページ近い単行本で、サックス吹きにはたまらない、知られざるエピソードが満載です。

最初しばらくはつまらないというか個人的にはどうでもいい話題が続いて、
買って損したかと思いきや、
途中からパーカーやらコルトレーンやらレスターヤングやらブレッカーやらリーブマンやら
コニッツやら、あるいは僕のあまり詳しくないR&B系サックス奏者の話題が出てくると、
面白すぎて、そりゃもう興味津々です。
電車の中、一人でニヤケそうになりながら読んでいます。
サックス吹き、特にジャスプレイヤーにはオススメの一冊です。

ところで、この本の中でも似たような話題が出てくるのですが、
最近もっぱら”いい音”に試行錯誤の毎日です。
と言っても今に限らず今までもそうだったし、これから先、一生そうだと思いますが。

そんな中、久しく聴いていなかった
ソニー・ロリンズの「The Bridge(邦題:「橋」)」というアルバムをふと取り出して聴きました。
その中の「Where Are You?」という曲のロリンズの音が、
この世のものとは思えないくらい、本当にいい音で、久々心から感動するという体験をしました。

多分にもれず、僕はこれまで、雲隠れ前のロリンズが好きで、
雲隠れからカムバックした直後に発表されたこのアルバムには、
過去の豪放さとか勢いがなくなってしまったような印象を受け、
どちらかというとネガティブなイメージを持っていました。

でも、そんな印象は僕の浅はかな間違いだったと、目の覚めるような思いで気づかされました。

前に何かで読んだのですが、ロリンズが雲隠れした理由は、
何よりも自分の音そのものを磨き直すためだったそうです。

僕如きがロリンズについて語るのは恐縮極まりないですが、
「橋」というアルバムは、凄まじいほどにその修行の跡がまざまざと聴きとれる。
where are you?に限らず、全編に渡り、本当に素晴らしい音だと感じました。

2011年4月4日月曜日

岡本太郎からのメッセージ

先日、岡本太郎展を見に国立近代美術館に行ってきました。
美術館に行くのは久々でした。
これでも昔はよく行ってたのですが、最近はめっきりでした。

今年生誕100年を迎える岡本太郎は、僕にとってとても大事な先人の一人です。
あるときまでは「芸術は爆発だ」の奇人とぐらいにしか思っていなかったけど、
大学1年の時に、彼の名著である『今日の芸術』を読んで、完全にハマってしまった。

正直、今でもかなりの影響を受けていると思う。今回それを再確認した。
この人の壮大な世界観や思想に出会わなければ、
今こんなことになっていなかったと言っても過言じゃない。
それぐらいの影響は受けていると思う。

今回の展覧会は生誕100年を記念した豪華総集編みたいな感じだった。
岡本太郎記念館と岡本太郎美術館の両方に行ったことがあるので、
見たことのあるものばかりではあったけど、
久しぶりに岡本太郎の世界に触れて、改めてパワーをもらった。

最後の展示を出たところに、岡本太郎の残した数多くの名言を一枚に一言記した
“くじ”を引くコーナーがあって、思わず引いたら

「評価されるなんていっさい必要なし!」

あはは、思わず一人笑ってしまった。