2010年9月24日金曜日

Keith Jarrett, Gary Peacok, Jack DeJohnette

昨日は、渋谷オーチャードホールにて
キース・ジャレット(pf)のトリオを聴いてきた。
生で聴いたのは今回が初めてである。

正直な感想を言うと、
少し期待外れだった。

敬愛する、大好きなトリオの演奏にこんな言葉は使いたくないのだが。

あまりにも期待が大きすぎたせいもあるだろう。
CDで何度も聴いている、あの神懸かった演奏と比べてしまうからだろう。
もしかしたら、年齢による衰えもあるのかも。そんな嫌なことまで頭に浮かんでしまった。

昨日はキースはあまり調子が良くなかったような印象を、少なくとも僕は受けた。
ゲイリー・ピーコックは一人気を吐いていたような感じを受けた。
デジョネットは、終始サポートに回っている感じで、キースに歩調を合わせているような感じ。

当たり前だが、これらはあくまでも僕個人の見解である。

それでも、あの3人が醸し出す特別な空気を感じ、一瞬一瞬の音に全神経を注いでいると、
素晴らしい音楽が聴こえてきた。
昔のような派手な展開にはならないけれども、
落ち着いた、正直で取り繕うことのない、清らかな音が聴こえてきた。

そう思うと、そもそも僕の期待した姿勢が間違っていたのかもしれない。
CDのような演奏が聴けるかもしれない・・・愚かな自分を反省。

そもそもジャズは、その一音一音が鳴り始めるまで、何が起こるか分からない。
今日という日が始まるまで、何が起こるか分からない。同じことだ。

昨日はバラードが多かった。雨が降っていたせいもあるのかないのか。

そんな中、アンコールの2曲目、最後の最後に演奏した
When I Fall in Love
キースの十八番中の十八番であるバラード。
この曲のエンディング、キースのカデンツァで、ついに神が舞い降りた。

とめどなく広がっていくあまりにも美しいメロディ、ハーモニー。
まだ続いてほしい、と思った時には、曲は終わりを告げた。

こんな瞬間が訪れるから、ジャズをやめることはできない。

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